日本財団 図書館


 

あり、うつ伏せ寝の児に何故SIDSが多いのかはまだ不明な点が多い。
SIDSの病因に関しては、呼吸循環器系の異常、内分泌代謝系の異常、感染症、神経系の異常、中毒、事故など、多方面から膨大な研究報告がなされている。近年、SIDSを覆い隠している種々の疾患が少しずつ解明され、SIDSと呼吸および睡眠の関係が浮かび上がってきた。それらの中で脳幹部の機能不全が、睡眠時の無呼吸に対する覚醒反応(無呼吸や低酸素血症に対し、それを正常化しようとする生体の反応)の遅れをもたらすことがSIDSの基本的な病態ではないかと考えられるようになってきた。
四 S1DSが起こった場合の対応
(一)出来る限り解剖による原因の究明を行う。
すでに述べた如く、解剖によってその死因を説明出来る疾患があるかないかを証明することは極めて重要である。
(二)発生の現場の状況を詳しく観察し、記載する。SIDSは乳児殺しなどの犯罪や事故との鑑別が重要であり、児がどのような環境におかれていたかは極めて重要な情報となる。
(三)家族、特に母親に罪の意識をもたせないように対応する。そのためには、家族に、SIDSは事故ではなく疾患であることを理解させる。
(四)次の子供に対する不安を解消する。
SIDSそのものは遺伝性のものではなく、育児環境さえ整えば、次の子供に同じようなSIDSが発生する頻度は極めて稀である。また、呼吸心拍や酸素濃度を連続的に非侵襲的にモニタリングする器横がいくつか手に入るようになり、ホームモニタリングによる予防の可能性がでてきている。
五 SIDSの家族への対応
SIDSは、今まで元気であった乳幼児が家庭内で突然に死亡するという、家族にとっては極めて精神的なストレスの多い経験である。特に母親は、単なる悲しみに加え、自分をさいなむ意識および周囲からの、いわれのない非難の目を浴びるというところから、SIDSは事故や過失ではなく疾患であることを、当事者のみならず周囲にも理解させることが大切である。
六 SIDSの家族の会についてSIDS家族の会は、平成五年二月に発足し、赤ちゃんを亡くした両親を精神的な面から援助するためのボランティアグループであり、現在約三〇〇の家族が参加している。また、医師や研究者にアドバイザーとして協力を仰いでいる。SIDS家族の会は、SIDSで子供を亡くした親自身によって運営されており、以下のことを目標として活動を行っている。
●赤ちゃんを亡くした家族への精神的援助
●SIDSに関する知識の普及
●SIDSに関する研究活動への協力
以上のようにSIDS家族の会は、関係機関等に対し様々な協力を依頼している。また、SIDSに携わる多くの皆様をはじめとして救急隊の方々に対しても、普段の心温まる対応に感謝しつつも、当事者である家族の心中をご理解いただき、今後とも両親および関係者に対する配慮をお願いしたい。
SIDS家族の会についてより詳しい情報を必要とする方は、次の母子衛生研究会にお問い合わせいただきたい。
問合せ先
総合窓口財団法人母子衛生研究会
一五〇 東京都渋谷区神宮前五−五三−一
TEL(〇三)三四九九−三一一一
FAX(〇三)三四九九−三〇〇二まで

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION